CASIO G-SHOCKの電池交換、基本編

転載:過放電したLi-ion充電器に充電できる充電器

以下は2015年9月15日にBlogger版Bam!boo! Flashlight DIYに掲載した記事です、
Blogger版Bam!boo! Flashlight DIYの終了に伴い転載しました。


Li-ion充電池は過放電すると充電できないわけではなく、
場合によっては充電が危険となります。

充電できるか否かはあくまでバッテリー側の問題であり、もし充電が可能であれば充電を行っても良いわけですが、
しかし一般的には危険性を判断できない故に一律に「過放電したLi-ion充電池には充電しないようにしましょう」となっているわけです。

ですので、充電して使えるようになるのであれば、過放電したバッテリーに充電しても大きな問題は無いわけです、
もちろん過放電により劣化したバッテリーは充電が出来たとしても容量が減ったり内部抵抗が高くなっていたりする場合(つまり劣化)があります。

まず最初にチェックすべき点はLi-ion充電池のその外観です、
見た目で明らかに膨らんでいたり、圧力弁から電解液の類が漏れているようなバッテリーは充電は絶対禁止です、そのようなバッテリーは物理的に内部が損傷していますが、しかし電気的なチェックでは問題無いと判断されてしまうことがありますのでくれぐれもご注意ください。


もし外観をチェックして特に問題がなさそうな場合に初めて次の内部の電気的なチェックに移ります、

XTARのLI-ion充電池用の充電器の中でも最新式のモデルにはこの過放電したバッテリーに充電可能か否かを判断する機能がついいていて、充電可能と判断した過放電したLi-ion充電池には充電を行います。
現在当店で販売中のXTARの充電器は全てこの機能が搭載されています。

これらのLi-ion充電池の過放電と充電器について以下に簡単に基礎的なことについてのみ以下に記載いたしますのでぜひお読み下さい。
まず最初に覚えておいて欲しいのはLi-ion充電池のプロテクト回路の特性です、

プロテクト回路付きのLi-ion充電池

プロテクト回路にもメーカーそれぞれの設計思想があります、
  • 過放電の電圧まで下がると通電を遮断して再充電するまで回路が復旧しないタイプ、
    バッテリーの電圧は負荷の大小で変わり負荷が大きいと大きく電圧が下がります、したがって大電流を流した時に電圧が過放電電圧より下がってしまうとプロテクト回路が働き通電を遮断し、その後負荷が無くなって電圧が戻ってもプロテクト回路は遮断されたままとなります。
  • 過放電の電圧の時は遮断するけど電圧が戻れば自動的に復旧するタイプ
    このような回路の場合、一時的に大電流で電圧が下がって過放電電圧より下がっても、負荷が無くなって電圧が戻ればそのまままた使用できます。
これを踏まえた上であらためて過放電したLi-ion充電池にたいして充電器がどのような動作をするのか?について考えると大きく三種類にわかれます。

1,過放電とか全く考慮せず差し込んだバッテリーはとりあえず充電するもの

このような充電器は積極的な安全回路を搭載せずどんなバッテリーにも電流を流します、
なのでもし過放電を起こしたけど、充電に問題ないLi-ion充電池を差し込んだ場合はとりあえず充電できます、
しかし、過放電により危険な状態になっているLi-ion充電池を差し込んでも危険だと判断できないのでそのまま充電を行ってしまい、最悪の場合バッテリーが発火や爆発を起こす可能性があります。

2,過放電したバッテリーには一切充電を行わないもの

バッテリーの電圧を監視する回路を搭載しておて、過放電と判断したLi-ion充電池には充電を開始しない充電器があります、
初期のXTARの充電器はこれで、また、他社の多くのインテリジェント型の充電器もほぼこのタイプです、
かなり正確に電圧で判断するので、過充電の恐れがほぼ無いことや、もしバッテリーを逆に差し込んでも充電を開始しないなど安全性をきちんと考えています。

ただし、このような充電器に「過放電の電圧まで下がると通電を遮断して再充電するまで回路が復旧しないタイプ」のLi-ion充電池の組み合わせで使うと、バッテリーの開放電圧が0Vのままなのでいつまでたっても充電が始まらない場合もあります、
これは安全性とはあまり関係のないプロテクト回路と充電器の安全回路との相性の問題です。

3,過放電したバッテリーの内部抵抗をチェックし充電可能と判断すると充電を行うもの

最初に書いたように、過放電したLi-ion充電池が全て危険なわけではなく、充電して使える物もあります、
そこでXTARの最新の充電器は過放電したLi-ion充電池でも充電可能と判断すると、できるだけ安全な方法で充電する仕組みを搭載しました。
その仕組は主にバッテリーの内部抵抗で判断し、過放電したバッテリーには微弱な電流を流して回復可能か判断し回復可能と判断すると過放電状態が解消されるまで微弱電流で充電し、過放電状態が回復すると通常充電に自動的に切り替わります。

この充電器の場合もう一つのメリットは、Li-ion充電池のプロテクト回路との相性問題がほぼ無いことです、
「過放電の電圧まで下がると通電を遮断して再充電するまで回路が復旧しないタイプ」のLi-ion充電池の場合外部から電気を流さないと回路が復旧しないわけですが、上記の「過放電したバッテリーには一切充電を行わない」充電器の場合バッテリーの電圧を感知しないためいつまでたっても充電を行いません(^_^;)
しかし微弱電流でバッテリーのチェックを行うこのタイプであればその時点でプロテクト回路を解除してくれます。

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